世界の基軸通貨・ドルとユーロの躍進

海外旅行時に外貨両替を行う常連となるドル。アメリカは経済、軍事的に見て世界で最も安定している国です。そのため、ドルは世界の基軸通貨とされ、世界の決済通貨として最も流動性の高い通貨でもあり、世界中どこでも両替が可能であり、金融市場の中心通貨となっています。戦争やテロなどの有事があれば、世界中の投資家はより安全な資産運用先を求めてドル(資産)を購入するため、有事のドルとも呼ばれます。湾岸戦争までは有事のドルが機能しましたが、米同時多発テロで米国本土が攻撃対象になり「有事のドル買い」神話は崩れました。米国へのテロ攻撃などの懸念から、戦争など国際緊張の高まった時には、逆に「有事のドル売り」となっています。そんなドルの停滞に対して、評価を上げているのが欧州の統一通貨であるユーロです。通貨として使える国が多いことから、さまざまな国際取引に活用できる点が世界中の投資家から信頼感を得ています。

欧州国は、一つひとつが小さな国でもまとまった経済圏となることで、世界経済に大きな力を持つことが可能です。ユーロが流通する「ユーロランド」の人口はおよそ3億人以上であり、ドルを超える通貨になることも夢ではないでしょう。最近では、ユーロの価値があがり、ドル安ユーロ高の傾向にありますが、これにはさまざまな要因があります。そのひとつに、世界各国が「外貨準備高」としてユーロを保有しはじめていることが上げられます。外貨準備高とは、国際的な取引や他国へ借金の決済、国際紛争など有事で必要になる対外支払いに備えて、自国以外の通貨を準備金として保有することを意味しています。新興国は、自分たちの通貨に力がないことを把握し、備えとして強い通貨を持つことは必要不可欠と考えています。新興国中心にドルを売り、ユーロを買う動きが増えることがドル安ユーロ高の動きに結びついているといわれています。